オーストラリアInpexのLNG施設ストライキ、世界のエネルギー供給に深刻な影響を及ぼす
2023年10月3日、日本の大手エネルギー企業Inpexがオーストラリアで運営する液化天然ガス(LNG)施設でストライキが激化し、生産に著しい混乱が生じていることが明らかになりました。Inpexの上級幹部は、同社のIchthys LNG施設で働く労働者が1日8時間に拡大するストライキを決議したと発表しました。これは以前の4時間から2倍に延長されたもので、施設の稼働をさらに脅かすことになりました。
現状と予測される影響
Inpexの上級副社長であるBill Townsend氏は、Bloombergに送ったメッセージの中で、「陸上および海上のIchthys LNG施設の両方で、生産に即座な中断が予測される」と述べました。さらに、「現在の世界の燃料供給制約という状況を考えると、この中断は非常に深刻になると予測されている」と強調しました。
6月3日に産業行動が開始されて以来、IchthysプロジェクトでのLNG積み込みに中断が発生しており、オーストラリアが世界第2位のLNG供給国であることから、市場では今後の日々や数週間で供給が減少するという懸念が高まっています。
オーストラリア労働公正委員会の判断
今週初め、オーストラリア労働公正委員会は、InpexがIchthys施設でのストライキを阻止するための要求を拒否しました。この決定は、年間920万トンの生産能力を持つ施設の生産と輸出に影響を及ぼす可能性があります。オーストラリアからのLNG供給の中断は、世界最大のLNG市場であるアジアのエネルギー輸入国に価格上昇の負担を強いることになるでしょう。
世界のLNG市場とカタールの動向
米国とイラン間の合意発表を受け、今週初めの欧州とアジアの基準ガス価格は大幅に下落しました。しかし、中東からのガス供給はまだ回復しておらず、ホルムズ海峡の安全な航行が再開されるのを待っています。この航行再開は、金曜日にスイスで米国とイランが合意を調印する見込みで、早ければその日から始まる可能性があります。ただし、合意が維持され、ホルムズ海峡が安全な航行に開放される場合、中東からのLNG供給は数週間以内に再開される見込みです。
国営のQatarEnergyは3月初めにLNG生産を停止しましたが、顧客に対し、ホルムズ海峡の安全な航行が回復後1ヶ月以内に生産能力の約50%を回復できると伝えました。情報筋によると、2ヶ月以内に80%の生産能力に戻る可能性があります。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| ストライキ開始時期 | 2023年6月3日 |
| 影響を受ける施設 | Ichthys LNG(陸上および海上) |
| Ichthys LNGの生産能力 | 年間920万トン |
| カタールの生産回復見込み | 1ヶ月で50%、2ヶ月で80% |
| オーストラリアの世界LNG供給における位置付け | 第2位 |
市場への広範な影響
この危機は、オーストラリアからのLNG供給に影響を及ぼすだけでなく、変動の激化が続く世界エネルギー市場に広範な影響を与えています。アジア諸国は、特に冬季エネルギー需要が高まる時期に、供給不安と価格変動に直面することになります。欧州も、ロシアからの天然ガス依存度を下げる過程で、オーストラリアからのLNGに注目しており、この供給不安は地域のエネルギー安全保障に影響を及ぼす可能性があります。
エネルギーアナリストは、この状況が短期的な価格変動だけでなく、長期的なLNG市場の動向にも影響を与える可能性があると指摘しています。特に、InpexのIchthysプロジェクトはオーストラリアのLNG輸出における重要な拠点であり、長期にわたる生産中断はオーストラリアのエネルギー輸出収入に影響を及ぼすでしょう。
市場関係者は、Inpexと労働組合間の交渉が早期に合意に至ることを期待していますが、両者の間には依然として大きな隔があり、合意形成には時間がかかる見通しです。エネルギー市場の参加者は、この状況を注視し、不確実性の中で適切な意思決定を行う必要があります。